３０階建ての高層マンションです。エレベータの音や立体駐車場の稼動音。さらには併設された公共施設の体育館や視聴覚室から出てくる音まで、あらるゆる生活騒音を採ってゆくわけですが、この位の大掛かりな測定は、殆ど初めての経験です。大きな工場を自分たちだけで回るような仕事は何回もしているのですが、空調の設備屋さんとか、立駐のメーカー、視聴覚室の音源となる太鼓の演奏者まで駆り出しての仕事となると、音を計る機械を動かすことより、関係する人間を動かすことが一仕事です。
初日と２日目は、居室の内部で設備騒音がどの程度聞こえてくるかのチェックだったのですが、窓を閉め切った部屋の中はたぶん４０度くらいにはなっていたのでは無いでしょうか？
こんな仕事は若い人に任せてしまいたいのですが、弱小零細企業なので測定にも付き合わざるを得ないのです。それに人を動かす時は自分が動かないと、なかなか人は着いて来てくれません。動いているうちに、腰をおかしくしてしまいました。
３日目は、場所を移動しながら数多くの測定をしなければなりません。測定は３チームで６人がかり、バスケットボールとゲートボール、太鼓の音が音源です。機械はスイッチを入れれば動くのですが、人間は時間通りに集まらないし、あっちこっち勝手に走り回っています。こう言う時一番必要なのは、大きな声なのですが、僕がこの種の仕事を続けられるのは大きな声が出るということが第一の理由です。「歌うエンジニア」の本領が発揮されます。「ウクレレ持ってくるんだったな・・・」
太鼓の演奏者が集まるのが、午後７時だったのですが、大きな太鼓を何台も運び込んで、準備に８時頃までかかってしまいました。演奏を始めると物凄い音が出ます。係りの人が飛んで来て、これでは周りから文句が出てしまうと言う事で、太鼓にカバーをかぶせて音を下げてやり直しです。結局終わったのは９時半、予定を２時間もオーバーしてしまいました。終了後のビールの旨かったこと・・・！
